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5月に開催予定の個展(於・ギャラリーせいほう/銀座)出品作の下図制作中。

OTTOには「ギーガーみたい」と言われました。ギーガーは好きなので嫌でもありませんが「そんな禍々しい?」とちょっと心配になり聞いてみましたら「絵にするとそんなことないけど、下図の時はいつもすごく描き込むから逸脱して見える」との返事。

下図では分からないところがないように、安心するまで、かなり執着して描くので、異様に見えるのかもしれません。本画になると、そこから抜いたり、淡くしてバランスを取っていくので穏やかになっていきます。

でも、どうかな。今回はこのまま、抜かずに行くのも良いだろうか、という気がしています。
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倉庫を整理していたら、大学入りたての頃、模写したフレスコ画が出てきました。懐かしい。まだ十代だったと思います。

女子の多くが繊細でやわらかな、フラ・アンジェリコの受胎告知を選ぶ中、私だけ、ビザンチンの壁画を選んだので、先生が「自分(の性質)とは逆のものを選ぶものだな」と仰って、「逆じゃないんですけど」と言いたいのを堪えたのを思い出します。

先生には、このフレスコ画がプリミティブなものに思えたのでしょう。

子供の時から、私はルネッサンスよりもビザンチンに引かれるところがありました。歳を重ねるにつれ、その傾向は、ますます強まっているように思います。
絵画としては、ダ・ヴィンチとボッティッチェリ、最近ではフィリッピーノ・リッピ(フィリッポ・リッピの息子)を特別に敬愛しているのですが、こと、信仰となると「ジョット以前」に心が向くのです。
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こちらが元の「豆の生神女(聖母)」

自分で選んだというのに、このフレスコ画が、どこのフレスコ画だったのか分からないままいたのですが、画像検索してみたところ、キプロス、ラグデラのパナギア・トゥ・アラコス聖堂にある「豆の生神女(聖母)」と呼ばれるものと分かりました。ネット、便利。

元の作品は、大変に活き活きと美しく、力強いもので、なるほど、10代の私はこのマリヤ様を模したいと思ったのだな、と、あらためて当時の気持ちを追体験しました。

さすがにいかにも子供っぽい模写なのですが、グイグイとした線で、今ではとてもこんなに素朴には描けません。とにかく、ひかれたままの気持ちで描いたのだと思います。

豆の生神女(聖母)についてはこちらに→ (Click!) 大変詳しく載っています。
画像もお借りいたしました。
このサイト「文化広報誌SPAZIO」のトップページはこちら→ (Click!) 
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今日は、長泉寺(宮城県角田市)の襖絵を、写真家の小岩勉さんに撮影していただきました。

小岩勉写真ノート 野守の鏡→ (Click!) 

ミルフイユ05 技と術→ (Click!) 

「ミルフイユ05 技と術」より、小岩さんが1992年に出された本「女川海物語」についての言葉抜粋→ (Click!) 


お寺の書院には、もちろん蛍光灯が点く訳だけれども、せっかくの空間を生かすため、自然光を調節して撮影をしてくれる小岩さん。障子や襖絵の横の内廊下がわの襖を開閉したり、襖を外してレフ板のようにしてみたり。
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自然光を調節してもらった襖絵は、午前中にはドラマティックに見えましたし、午後には打って変わって、ふんわりとした表情を見せてくれました。



撮影中には、襖絵を見に来て下さる方が次々おいでになり、とても感動しました。お寺に併設されている幼稚園の子供たちもみんなで見学していってくれました。
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最初は引率の先生の言葉を守って、静かに座って鑑賞。しばらくすると、小鳥のように書院内を走る子供たち。描かれた湯気も、子供たちの作る空気の流れで、動き出すのじゃないかな?という勢い。
中には、絵に顔を寄せて、まじまじと見てくれる女の子も。
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……と、思いきや、女の子が見ていたのは、襖の向こう側なのでした。私も、そういう幼稚園児だったなぁ、と思い出したりしました。


小岩勉さんは現在、仙台のSARPで開催中の「増山たづ子と東北の記録者たち展」に参加されています。→ (Click!) 

増山たづ子と東北の記録者たち展
2016.05.24(火)〜2016.06.19(日)
SARP
11:00〜19:00(月曜休廊・最終日は17:00まで)
11:00 - 19:00 (月曜定休)
〒980-0012宮城県仙台市青葉区錦町1-12-7門脇ビル1F
TEL&FAX 022-222-0654 
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宮城県角田市にある曹洞宗・長泉寺、大広間の襖絵が無事完成いたしました。
制作のお話をいただいたのは、2011年、東日本大震災前でした。
大きなことから、小さなこと、さまざまな出来事を経験し、5年かかって完成を迎えました。
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昨日、設置されたばかりの襖を見に参りました。
自分の作品が、建物の一部になるというのは、初めての経験です。
夕方、日が傾きつつある時刻でしたので、
差し込む光の変化によって絵も変化するのを見ることが出来ました。
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9mの表と裏、片側は黒を片側は白を意識して描きました。
こちらがわは“白”の側になります。
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ご依頼下さったご住職からは、制作前に
「たとえば桜、というようにひとめで理解できてしまうものよりも、
 長く見つめていられるような絵を描いていただければと思います。」と、言っていただきました。
当時は薄氷のシリーズを描いており、ちょうど水蒸気の絵に挑戦し始めた時期でした。
湯気、靄、霞、というような「とらえられないもの」をモチーフにすることを、
まだ形にしていない時点でご理解下さって、制作をご支援下さったことに、心より感謝いたしております。
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5月中は公開されています。
その後は、年に一度、展示の期間を設けられるとのことです。

曹洞宗 長泉寺 公式ホームページ→ (Click!) 

宮城県角田市角田字長泉寺69
曹洞宗六国峯長泉寺
TEL:0224(62)1004
FAX:0224(63)0063

角田までの交通
●東京から2時間50分(東北新幹線→阿武隈急行線)
●仙台から50分(JR東北本線→阿武隈急行線)
●福島から1時間(阿武隈急行線)
●白石から25分(タクシー利用)
角田駅から
●阿武隈急行/角田駅より徒歩5分、車で1分

長泉寺HP内の交通アクセス案内ページ→ (Click!) 
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前回は寝転がってくれたモデルのMさん。寝姿だと、私がどこから見下ろすかで上下が変わる。頭を下に描いていたけれども、逆さにすると宙に浮いているようで、それもまた良いようにも思えてくる。

モデルのMさんは希望した通りのポーズを躊躇なくとってくれる。最初は感謝の気持ちが強いのだけど「もうちょっと腕を曲げてみて」とか「あと少し手を上にあげてくれる?」などと言っているうち「こうしてほしい」という自分のわがままな希望で頭がいっぱいになっていると気付く。途端に、申し訳ないような、恥ずかしいような気持ちになる。

人にモデルを頼んで描いている人は、申し訳ない気持ちや恥ずかしい気持ちをどうしているのだろう?そもそも、そんな気持ちは湧かないのだろうか?「見ていることを見られる」のは、本当にどうしたらいいか分からない、落ち着かなさの極みのような気持ちにさせられる。Mさんはそんな気持ちにさせようなんて少しも思ってはいないと分かっているのに。