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昨日、仙台在住の写真家・小岩勉さんに、5月の個展DM用の作品写真撮影をしていただきました。

展覧会の際、在廊していても、お客様がいらっしゃらず、ひとり、自分の作品に向かい合う時間がけっこうあります。この時間も私には大切で、制作中には気付けなかったことに気がついたり、見えてきたりします。描き上げてから、少し時間が経過することや、展覧会場という公の空間に作品が置かれることで、自分と作品に、ほどよい距離が生まれ、客観視できるからだろうと思います。

作品を撮影していただく時も、そういった時間に似ていますが、撮影者という第三者の視線を介することで緊張も加わり、刺激を得ます。作品は、見られることで作品になるのだな、とあらためて感じたりもします。

でも、今回の撮影はDM用。まだ公の空間に曝される訳ではありませんから、生まれる前の段階を撮っていただいている訳で、どうかな?もう生まれて良いかな?なんなら、もうちょっと加筆しちゃおうかな?と、くるくる考えながら撮影されている自作を眺めていました。
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結果、この作品は“生まれ時”と判断。
加筆はせず、これでフィニッシュと決めて、本日からは次の作品に入ります。
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朝、アトリエに着いたら石油ストーブをつけて、やかんをのせて、鳥の世話をして、ちょうどぬるく温まったお湯をボールにはり、硯を入れ、ほんわか温まったところで取り出し、1日分の墨を擦り、3つのお皿に極薄、やや薄、濃いめ、に墨を揃えて描き始め、1番濃い背景部分に墨を入れたらお昼を食べ、午後は淡墨でひたすらやわやわ〜っと湯気を描いて、夕方、また鳥の世話をして、おやつを食べて、湯気の〆所をやや濃い墨で描き込んでいき、夜になったらイノシシが襲ってくる前に帰宅。
それが最近の暮らし。毎日、まったく変わりません。


今日は左奥のくるくるっとなっているところを描き込んだので、明日は右側のまあるいところを描き込みます。
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アップですと、現状はこのような出来。

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約4mになるはずの個展作品下図が出来上がったので、今日はグループ展の20号用の下図を描いていました。20号は長手が72cmほど。作品として、小品というほどではないですが、4mに比べればずいぶん小さいです。

小さい作品には小さいことの魅力もあります。今回は、小さな裂け目をポイントにしてみたいと思って描いています。小さい穴って覗きたくなるんですよね。障子の穴みたいに、もう少し、もう少しと、指で広げたくなるような穴になるといいな。

この絵は対になる予定です。もう1つは、この小さな裂け目が広がって、花の中心になっているようなイメージ。出品は3点になると思うので、最後の1点は穴が無くなった状態の湯気にしようと構想中。

向う側への入口は、すぐに霧散してしまうのです。
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5月に開催予定の個展(於・ギャラリーせいほう/銀座)出品作の下図制作中。

OTTOには「ギーガーみたい」と言われました。ギーガーは好きなので嫌でもありませんが「そんな禍々しい?」とちょっと心配になり聞いてみましたら「絵にするとそんなことないけど、下図の時はいつもすごく描き込むから逸脱して見える」との返事。

下図では分からないところがないように、安心するまで、かなり執着して描くので、異様に見えるのかもしれません。本画になると、そこから抜いたり、淡くしてバランスを取っていくので穏やかになっていきます。

でも、どうかな。今回はこのまま、抜かずに行くのも良いだろうか、という気がしています。
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昨年末、最後に仕上げたのは猫の絵でした。日本画で猫は初めてです。画像は、猫の一部分。ご依頼をいただいての作品ですので、仕上がった作品はUPいたしませんが、ヒゲのところだけちょっと。

動物を仕上げる時には、私はヒゲを最後に描きます。疲れていると、あのピィーンとした感じが出ませんので、ちゃんと寝て、朝一番にえいっと描きます。

ヒゲを描いて「よし!完成」と、落款をおしたら、パタリと床に倒れ、床から身体が離れません。起き上がっても5分と動けない。張っていた気が、ヒゲを描いて、ホッとした途端、ヘナったのですね。そのまま大風邪に突入。掃除も、年内の年賀状準備もあきらめ、3が日はフルに寝込んでおりました。
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実家では長くアビシニアンを飼っていましたが、今はもういません。猫制作にあたっては、取材のため仙台の猫カフェに行ってみたりもしました。なかなか興味深い経験でしたね、猫カフェ。猫さんたちがワラワラ寄ってきて、他のお客さんに申し訳ないほど、私、モテモテでした。

私は、ケージで寝てばかりいる太っちょ猫さんをモデルに、じっと動かずスケッチしていました。せっかく猫カフェに来ているのに、ボク/ワタシとたわむれようとしない人間に、猫さん方はかえって興味が湧いたようです。シャカシャカ動く鉛筆も猫さんには新鮮だったのかもしれません。私の愛用リュックにはたくさん紐もぶら下がっているので、それで遊ぶ猫さんも結構いました。

スケッチの手を止めて、背後を見やりますと、私と同じ歳くらいの女性がひとり、首に一匹の猫を乗せ、実に幸せそうな面持ちのまま、四つんばいになっておられました。
幸せなんだから、それで良いのだろうと思いつつも、それで良いのだろうかと、思わなくもないひとときでした。